テキスト検索式

コンテンツ規則を調整して、組織が送受信する情報から、特定の用語、フレーズ、文字パターンなどを検索することができます。機密情報、機密用語、不適切用語、ユーザー定義の表現などもこれらに該当します。

Gateway のテキスト検索式を使用することで、特定のコンテンツが組織から送信、または、組織によって受信されるのを効果的に予防します。テキスト検索式は、グループごとに [テキスト検索式リスト] としてまとめられており、これらのリストをコンテンツ規則で使用します。

また、[エンティティ] と呼ばれる特定のテキスト検索式を構成することも可能です。[エンティティ] は、クレジット カード番号、ID 番号、ユーザー定義の正規表現などの文字パターンを検出するためのテキスト検索式です。

情報...

• テキスト検索式とテキスト エンティティ

  テキスト検索式は、独自に作成することも、テキスト エンティティから作成することもできます。テキスト エンティティは、あらかじめ定義されている、または、ユーザー定義された構成要素で、これらを検索式に含めます。

  テキスト エンティティには、次の 3 つのタイプがあります。

  • 定義済みのエンティティ

    [定義済みのエンティティ] は、あらかじめ定義されている、使用頻度の高い標準のテキスト検索式です。[定義済みのエンティティ] は、クレジットカード番号や、さまざまな地域における身分証明番号 (例: ID カード、運転免許証、パスポート、日本のマイ ナンバー) などを検出します。[定義済みのエンティティ] のパターンは固定されており、編集することはできません。
    

  • ユーザー定義のエンティティ

    繰り返し使用することのできる、独自のテキスト エンティティです。これらの [ユーザー定義のエンティティ] はリストに表示され、テキスト検索式で使用することができます。詳細については、「ユーザー定義のエンティティ」を参照してください。

  • テキスト検索式修飾子

    [テキスト検索式修飾子] は、通常のテキスト パターンではない、特定の値を検索するためのものです。たとえば、リダクトやブロックの対象となる、特定の ID 番号のリストなどです。一連の修飾子のリストをインポートして、テキスト検索式で使用することができます。詳細については、「テキスト検索式修飾子」を参照してください。

• テキスト検索式リスト

  テキスト検索式は、グループごとに [テキスト検索式リスト] としてまとめられています。これらのリストをコンテンツ規則で使用して、リストに含まれているすべての検索式をポリシーに反映します。

  [テキスト検索式リスト] へは、[ポリシー] > [テキスト検索式] からアクセスします。

  ポリシーで現在使用されているリストには、緑色のチェック マークが表示されています。

  コンテンツ規則に現座適用されているもの

  コンテンツ規則に現在適用されていないもの

  テキスト検索式の含まれていないもの

  [ポリシー] > [ポリシーの参照] > [テキスト検索式] の [検索文字列] フィールドを使用して、リスト内のエントリを検索することができます。検索は、すべてのテキスト検索式リストが表示されたページ、または、現在開いている特定のテキスト検索式リストに対して実行することができます。たとえば、[テキスト検索式リストの管理] ページにすべてのテキスト検索式リストが表示されている状態で [検索文字列] フィールドに a を入力して [検索] をクリックすると、テキスト検索式に a が含まれたエントリを持つすべてのテキスト検索式リストが表示されます。それとは別に、[テキスト検索式リストの管理] ページで特定のテキスト検索式リストを開いてから [検索文字列] フィールドに a を入力して [検索] をクリックすると、そのリスト内でテキスト検索式に a が含まれたエントリが表示されます。検索をクリアして表示を元に戻すには、検索フィールドの x をクリックします。 入力の際、大文字と小文字の区別はありません。

• ダウンロード リスト

  Clearswift には、「スパム」や「不適切用語」といった、あらかじめ定義済みの [テキスト検索式リスト] が装備されています。リストの更新は、動的に行われます。Clearswift Gateway は、これらの [ダウンロード リスト] を Clearswift 更新サーバーから定期的に自動ダウンロードします。

  [ダウンロード リスト] は、あらかじめ定義されている [テキスト検索式リスト] であり、デフォルトのしきい値は 10 に設定されています。これらの [ダウンロード リスト] を [テキスト検索式] タブにコピーして、コピーの内容を編集することができます。 コピーした [ダウンロード リスト] の内容は、動的には更新されません。

• ドキュメント プロパティ

  [ドキュメント プロパティ] タブを使用して、特定のドキュメント プロパティを検出するためのテキスト検索式を構成することができます。たとえば、ドキュメント プロパティ「Author」(作成者) と、このドキュメント プロパティに対応する値「Managing Director」(代表取締役) とを指定して、「Managing Director」によって作成されたドキュメントを検出します。これらの検索式に、重みを割り当てることもできます。

  詳細については、「ドキュメント プロパティ」を参照してください。

  [ドキュメント プロパティ] テキスト検索式は、[プロパティの分析] コンテンツ規則で使用されます。

• しきい値 / 重み / 一致した場合

  [ポリシー] > [ポリシーの参照] > [テキスト検索式] の [テキスト検索式リスト] タブでテキスト検索式リストを選択し、そのリストの編集ページの [検索式] パネルから各検索式を新規作成、または、編集する際、ダイアログの [一致した場合] ドロップダウン メニューから、重みのスコア (+1 ～ +10) を設定することができます。検索式の [重み] は、該当の内容が検出された場合の、コンテンツ規則でのアクションに関連しています。検索式の重みの値が大きいほど、ポリシー違反による [実行する操作] がトリガーされる確率が高くなります。

  テキスト検索式リストには、[しきい値] が設定されています。この検索式リストが使用されているポリシーやコンテンツ規則で、検出された検索式の重みの合計がこの値に達すると、違反がトリガーされます。(つまり、[しきい値] は、ポリシー違反をトリガーするのに必要な重みの最低値となります。)

  例: テキスト検索式の重み

  [テキスト検索式の検出] コンテンツ規則を作成して、「Cakes and Pastries」という名前を付けます。このコンテンツ規則を使用して、菓子製品の名前を検出します。

  下記のテキスト検索式リストでは、[しきい値] が 10 に設定されています。

  このテキスト検索式リストには、菓子製品ごとの検索式が追加されていることが分かります。各検索式に、[重み] が設定されています。

  

  コミュニケーションに、菓子名「Doughnuts」と「Iced buns」が含まれていた場合、重みの合計 (+ 6 + 5) は 11 になり、テキスト検索式リストのしきい値 10 を上回ります。これにより、コンテンツ規則がトリガーされます。コミュニケーションに含まれている菓子名が、「iced buns」と「cookies」であれば、重みの合計 (+ 5 + 3) は 8 のため、コンテンツ規則はトリガーされません。

  この例の「Cake」のように、検索式の重みが [強制検出] に設定されている場合、しきい値とは関係なく、常にコンテンツ規則がトリガーされます。

  各検索式は、メッセージの各部分に対して 1 度だけ検出できます [ポリシー] > [ポリシーの参照] > [テキスト検索式] > [テキスト検索式リスト] タブから検索式を作成、または、編集する際、[各検索式は、メッセージの各部分に対して 1 度だけ検出できます] オプションを使用して、検索式がメッセージの各部分で重みのスコアを 1 度だけカウントするように設定することもできます。たとえば、メッセージの件名が「Cookies, Cookies, Cookies!」であった場合、オプションが選択されていなければ、重みの合計 (+ 3 + 3 + 3) は 9 になります。オプションを選択すると、重みの合計 (+ 3 を一度だけカウント) は 3 になります。

• PERL/POSIX 正規表現

  PERL/POSIX 正規表現を使用して、よりフレキシブルで強力な、ユーザー定義のテキスト検索式を作成することができます。たとえば、特定の文字や数字で始まる電話番号や ID 番号、繰り返し使用されている用語やフレーズなどを検出する、ユーザー定義のエンティティを作成します。

  詳細については、「ユーザー定義のエンティティ」を参照してください。

• リダクション

  アダプティブ リダクションは、テキスト検索式によって検出された情報を「秘匿化」します。検出された情報は、アスタリスク (*) に置き換えられた上で、配信または表示されます。アダプティブ リダクションは、コミュニケーションを保留にしたりブロックしたりすることなく機密情報を保護する機能です。

  テキスト検索式リストに含まれている各検索式のリダクト、テキスト検索式リスト全体のリダクトの、両方が可能です。

  詳細については、「アダプティブ リダクション」を参照してください。

操作方法...

• テキスト検索式リストの作成

  1. [ポリシー センター ホーム] ページの [テキスト検索式] をクリックします。[テキスト検索式リストの管理] ページに、使用可能なすべてのテキスト検索式が表示されています。
  2. [テキスト検索式リスト] タブが選択されていることを確認して、 [新規] をクリックします。

  3. [概要] セクションを使用して、テキスト検索式リストの [名前] を編集したり、[注記] を追加したりすることができます。

  4. [テキスト検索式] パネルを使用して、テキスト検索式リストの [しきい値] を設定します。この検索式リストが使用されているポリシーやコンテンツ規則で、検出された検索式の重みの合計がこの値に達すると、違反がトリガーされます。(つまり、[しきい値] は、ポリシー違反をトリガーするのに必要な重みの最低値となります。)

     各検索式は、メッセージの各部分に対して 1 度だけ検出できます [ポリシー] > [ポリシーの参照] > [テキスト検索式] > [テキスト検索式リスト] タブから検索式を作成、または、編集する際、[各検索式は、メッセージの各部分に対して 1 度だけ検出できます] オプションを使用して、検索式がメッセージの各部分 (件名、メッセージ本文、添付ファイル) で重みのスコアを 1 度だけカウントするように設定することもできます。 注記: ここでは、正規表現やテキスト エンティティのスキャンに、データ一致ではなく、パターン一致による分析を使用します。「類似しているが、同じではない (つまり一意の) 2 つのアイテム」がパターンで一致している場合、これらのアイテムは一対の重複としてカウントされます。検索式に一致した全く同じ文字列を 1 度だけカウントする場合は、このオプションを使用する代わりに、[検索式] パネルから、それぞれの検索式の [重複にあたるものは無視] オプションを選択するようにします。

  5. [検索式] パネルの [新規] をクリックして、検索式を追加します。ダイアログの [一致した場合] ドロップダウン メニューから、重みのスコアを設定します。[追加] をクリックして、検索式をリストに追加します。

     ダイアログの [大文字と小文字の区別] チェック ボックスを選択して、ユーザー定義の検索式に大文字と小文字の区別を追加することもできます。テキスト検索式リストのページの [検索式] リストでは、大文字と小文字の区別が有効になっている検索式に が表示されています。

     テキスト検索式の作成の詳細については、「テキスト検索式の作成」を参照してください。

  6. 設定を適用します。

• テキスト検索式リストの削除

  ポリシーの参照 (ここではテキスト検索式リスト) がコンテンツ規則で現在使用されている場合、そのアイテムを削除することはできません。現在使用されているリストには、緑色のチェック マーク が表示されています。

  1. [テキスト検索式リストの管理] ページの [テキスト検索式リスト] タブを選択します。
  2. 削除するテキスト検索式リストを選択します。

  3. [削除] をクリックして、確認ダイアログの [はい] を選択します。

  4. 設定を適用します。
• テキスト検索式リストに検索式をインポート

  Unicode の .txt ファイルを使用して、テキスト検索式リストに検索式をインポートすることができます。

  .txt ファイルの各行に各検索式を記述します。空白の行、また、# で始まる行は無視されます。

  インポートするファイルの準備

  検索式の記述形式は、次のとおりです。

  大文字と小文字の区別,重み,検索式

  • 大文字と小文字の区別 の部分には、true または false を記述します。
  • 重み の部分は、1 ～ 10 の値になります。強制検出の場合は、-1 になります。
  • 検索式 の部分は、検索式のテキストになります。正規表現のためのトークンを適用したり、正規表現の構文を適用することもできます。

  

  検索式のインポート

  1. [ポリシー] > [テキスト検索式] を選択します。
  2. [テキスト検索式リスト] タブを選択して、次のいずれかの方法で検索式のインポート先となるテキスト検索式リストを指定します。
     1. [新規] をクリックして、新しいテキスト検索式リストを作成します。
     2. リストから既存のテキスト検索式リストを選択します。 [編集] をクリックします。
  3. タスク パネル の [検索式のインポート] をクリックします。

  4. [検索式のインポート先] ダイアログの [ファイルを選択] をクリックして、インポートする .txt ファイルを選択します。

     既存のテキスト検索式リストの内容を、インポートするファイルの内容で置き換える場合、[検索式リスト内の現在の検索式を削除し、置き換え] チェック ボックスを選択します。

  5. [インポート] をクリックします。
  6. 設定を適用します。
• 検索式を使用して特定の値を検出

  Clearswift Gateway は、文字パターンの検出に、パターン一致を使用します。正規表現やあらかじめ定義されているテキスト エンティティを用いて特定のデータを検索することも可能です。たとえば、アカウント番号、アドレス リスト内の名前、外部のデータ ソースに保存されているクレジット カード番号などを検索します。

  詳細については、「テキスト検索式修飾子」を参照してください。

• 重複カウント、または、複数カウントによる誤検出の防止

  Gateway は、各検索式に対して指定された文字列やオプション、そして、それらの検索式をまとめた検索式リストに対して指定されたオプションに基づいて、ポリシー違反を検出します。ただし、同じ文字列が繰り返し使用されている場合など、検出の際の重複カウント、または、複数カウントによって重みの合計が大きくなり、その結果誤検出となることもあります。状況に応じて、次のオプションで検出を調整します。

  重複にあたるものは無視

  [ポリシー] > [ポリシーの参照] > [テキスト検索式] > [テキスト検索式リスト] タブから検索式を作成、または、編集する際のオプションで、[検索式] パネルに登録されているそれぞれの検索式に対するものです。 (注記: [各検索式は、メッセージの各部分に対して 1 度だけ検出できます] オプションは、選択したテキスト検索式リスト全体に対する別のオプションです。) たとえば、Excel ワークブック内のワークシートに同じ口座番号が何度も記載されている場合、口座番号のテキスト検索式を作成し、重複分のカウントを無視するように設定します。同じ口座番号番号などの「全く同じ文字列」が何度も繰り返されていることではなく、検出パターンに一致した異なる文字列の使用を検出する場合に有用です。

  それぞれの検索式を作成、または、編集する際は、[大文字と小文字の区別] を指定することもできます。

  各検索式は、メッセージの各部分に対して 1 度だけ検出できます

  [ポリシー] > [ポリシーの参照] > [テキスト検索式] > [テキスト検索式リスト] タブから検索式を作成、または、編集する際のオプションで、選択したテキスト検索式リスト全体に対するものです。 (注記: [重複にあたるものは無視] オプションは、[検索式] パネルに登録されているそれぞれの検索式に対する別のオプションです。) Gateway で、検索式がメッセージの各部分 (件名、メッセージ本文、添付ファイル) で重みのスコアを 1 度だけカウントするように設定します。.たとえば、Excel ワークブック内に複数のワークシートがあり、各ワークシートに同じクレジットカード番号が記載されている場合、このオプションを使用することで、Excel ワークブック全体での検出が (複数回ではなく) 1 回とみなされます。

  テキスト検索式修飾子

  文字パターンの検出にパターン一致を使用するだけではなく、クレジット カード番号など特定のデータを検索することも可能です。詳細については、「 テキスト検索式修飾子」を参照してください。

• テキスト検索式リストをコンテンツ規則に適用

  コンテンツ規則は、テキスト検索式リストなどの「ポリシーの参照」を使用して、ポリシーに違反するコンテンツを検出します。テキスト検索式リストが完成したら、コンテンツ規則を使用して、そのリストに含まれる検索式を検出できるようになります。

  例: 罵り言葉 (英語)

  目的: 英語の「罵り言葉」が含まれているコミュニケーションを検出、ブロックするコンテンツ規則を作成する

  罵り言葉 (swear word) や不適切用語 (profanity) は、[ダウンロード リスト] で定義されています。[Swear Words: English] を、コンテンツ規則に追加します。

  1. [ポリシー] > [コンテンツ規則] の [新規] をクリックして、コンテンツ規則を作成します。
  2. コンテンツ規則テンプレートのリストから、[テキスト検索式の検出] を選択します。
  3. [検索対象] パネルの [テキスト検索式] セクションを編集します。
  4. [検索式リスト] のドロップダウン メニューから、 [Swear Words: English] を選択します。
  5. [実行する操作] パネルで、ブロックや保管などのアクションを指定します。

  6. 設定を適用します。

  コンテンツ規則の構成の詳細については、「コンテンツ規則」を参照してください。

参照...

• テキスト検索式の作成
• ユーザー定義のエンティティ
• コンテンツ規則
• ポリシー ルート
• セキュリティ ポリシーの構成